資産形成として分譲マンションに住まう

資産形成の手段として預貯金をはじめ株式やFX、投資信託など様々ですが不動産投資もその一つです。また住宅も不動産分野の一つであり、分譲マンションも当然そのカテゴリーに含まれます。
住宅は衣食住という人の生活に欠かせない基礎的なものの一つですが、不動産という資産の面を同時に持ちます。
したがって、住まいを探すときにはその不動産の資産としての側面も併せて考えなければ後々大きな後悔をすることにもなりかねません。
昨今は転勤族の会社員の方でも気に入った街でマンションを購入し転勤となった場合は賃貸で運用し家賃収入を得つつ節税対策として活用するケースも少なくないようです。
また、現役で働いている内にマイホームを取得するということは最大の老後対策の一つとも言えます。
そこで、本稿では分譲マンションの購入による資産形成について考えていきます。
目次
1. マンションを購入するメリット
2. 資産の分散効果
3. まとめ
1.マンションを購入するメリット
1-1 快適な居住空間
一般的に分譲マンションはその設備や仕様のグレードが賃貸物件と比較して高く、構造の面においても隣戸間の壁厚や床コンクリートの厚みなどが厚く造られていたりします。
また、デザイン性が高く先進的な設備が備えられていたりします。
1-2 利便性の良い立地条件
分譲マンションは一般的に立地条件が良いケースが多く、生活利便性が高いので日々の生活や通勤、買い物などが快適です。
駅が近かったり、都心へのアクセスが良ければマンションの資産価値も保たれ易くなります。
1-3 老後対策としてマンションに住みながら資産形成
人生百年時代とも言われる昨今において、金銭的に限られた老後の年金生活の中で住居費用の捻出は大きな負担となります。その老後生活に自己所有のマンションがあることは大きなメリットとなります。現役で働いているうちにマンションを購入することは将来の老後対策となります。
1-4 住まなくなった時は賃貸や売却が可能
長い人生のなかでは、思いがけないこともあります。永住目的でマンションを購入しても転勤や転職、子供の進学、親の介護など理由は様々ですが住み替える可能性は誰にでもあり得ます。そんな時でもマンションは売却や賃貸として家賃収入を得ることができます。
1-5 賃貸住宅にはない税制のメリット
賃貸住宅に入居して家賃を支払っていても税制上のメリットはありません。もちろん社宅や官舎などにお住まいで家賃負担の少ない方も同様です。
しかし、マンションなどの住宅を購入した場合はその購入資金について住宅ローン減税(10年間又は13年間)が受けられます。また、購入資金が親などからの援助であれば贈与税の非課税措置が受けられたりします。
このように、国の税制は経済対策も兼ねて持家に有利な税制となっています。
2.資産の分散効果
2-1 マンションを自宅として購入
分譲マンションを自宅として購入することは同時に資産を分散することでもあります。預貯金や株式、投資信託などとは別の固定資産を所有することとなります。したがって、マンションという不動産資産を所有することにより固定資産税などの税の負担が生じますが、逆に住宅ローンを利用しての購入の場合は住宅ローン減税などが受けられます。
また、購入と賃貸で住む場合の大きな違いは購入するとその支払いは自分の物(資産)となりますが、賃貸の場合の家賃支出は何も手元に残らない単なる消費と言えます。
しかし、購入した場合は住宅ローンが終われば住居費用が掛かりませんので、現物資産として老後対策としても有効となり得ます。
2-2 資産三分法
資産形成を考えるにあたり、リスクについても考慮しなければなりません。最も一般的なリスク回避の方法として分散投資が挙げられます。
よく言われる「資産の三分法」として「預貯金」「有価証券」「不動産」が代表的な3つの資産です。
流動性が高いがインフレには弱い「預貯金」、収益性は高いがリスクも高い株や投資信託などの「有価証券」、インフレに強く有価証券に比べリスクが低いが流動性が他の2つと比べ低い「不動産」、とそれぞれにメリット・デメリットがあります。各自の考えや資産の状況などにより一概には言えませんが、分散投資が資産形成に効果的とされています。
2-3 現物資産としてのマンション
マンションを自宅として購入した場合でも、将来はセカンドハウスや親族用、又は賃貸に出して家賃収入を得るという現物資産として様々な利用が可能です。
さらに、住宅ローンを利用して購入した場合、ローンには生命保険がセットされていますので万が一の時には残された家族にマンションという資産を残すことができます。
また、マンションの資産価値は経済状況により変動する可能性はありますが売却により現金化したり、将来の相続税対策としても有効な選択肢の一つにもなります。
3.まとめ

以上のようにマンションは住むだけではなく、不動産の資産としての側面を持っています。「一生に一度の買い物で売ったり貸したりしないから」と安易に購入すると先々で思わぬ後悔をすることにもなりかねません。
もちろん自宅としての快適さや周辺環境などは当然の検討材料ですが、数千万円単位の大きな買い物だからこそマンションの資産価値についてもよく考えて物件を選ぶことが大切です。
自分のこだわりと一般的な不動産としての価値を良い方向で両立させて自分に合ったマンションを探しましょう。