分譲マンションとは~賃貸との違いや5つのメリットを解説

目次
1.分譲マンションとは
2.分譲マンションと賃貸マンションの違い
3.分譲マンションのメリット
4.まとめ
1.分譲マンションとは
1棟の建物をいくつかの住戸に分割して販売する共同住宅の事です。基本的には鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造による建物となります。また、一般的には土地も各住戸の所有者による共有の場合が多く、建物についても購入した部屋の室内部分を除くところは全ての所有者による共有となります。
分譲マンションは区分所有建物とも言います。
2.分譲マンションと賃貸マンションの違い
分譲マンションは販売を目的として事業主・売主により計画されたマンションです。高額な商品の販売となりますので、立地条件を含め構造や設備、間取りなども良く練られた建物が一般的です。
賃貸マンションの場合は、その目的が家賃収入を得る収益事業となりますので投資効率を考え建物の構造や設備などの原価や品質を低く抑える傾向にあります。
分譲マンションでも転勤や投資用として購入した方などが賃貸で貸し出されたマンションを「分譲賃貸マンション」と言います。
一般的にこの「分譲賃貸マンション」は物件数も限られ、家賃も周辺の賃貸相場よりも高く貸し出されることが多いようです。
3.分譲マンションのメリット
分譲マンション購入のメリットとして、次の五つの事項が代表的なメリットとして広く認識されていますので、それぞれについて説明していきます。
3-1.充実の仕様・設備
分譲マンションは高額な商品ですから居住性について特に配慮されて建てられます。目には見えない隣戸間や上下階のコンクリートの厚みや建物自体の構造など耐震性や防音性などが考慮されています。
設備についても食器洗い乾燥機や浄水器付きのシステムキッチン、床暖房や乾燥機付きの浴室など充実しており建具やフローリング等の仕様もグレードが高いものが多い。
共用部分についても、留守の時に荷物を預かる宅配ロッカーや広々とした豪華なエントランスホールなど各マンションによって様々な施設があります。
3-2.セキュリティ&管理体制
分譲マンションに住まう最も大きなメリットの一つはセキュリティ面の安心感です。オートロック付きのインターホンをはじめ、防犯カメラや管理人、ピッキングが難しい玄関のダブルロックなど、居住者の安心・安全に配慮された対策が施されています。
また、マンションの共用部分の清掃や点検などの定期的なメンテナンスや長期の計画的な修繕についてマンションの管理組合より委託を受けた専門の管理会社が行っていますので、建物や敷地は管理が行き届き綺麗な状態が保たれています。
3-3.資産性
分譲マンションを購入すると住宅ローンを組んだ場合でもその返済は自分の資産への投資となります。さらに住宅ローンは家賃と違い返済年数や支払額が決まっています。ローンが終われば完全に自分の資産となり老後の家賃負担がなく、売却して現金化や賃貸にして家賃収入を得ることもできます。
これに対し、賃貸マンションの場合は家賃をいくら支払っても自分のものとはなりません。賃貸だと気軽に引っ越せるとは言っても引越し代や敷金、礼金など相応の費用も掛かります。さらに借りている間は家賃や更新料などの負担も必要です。賃貸は言わば終わりのないローンを背負うようなものとも言えます。
3-4.老後対策
分譲マンションを所有することの最大のメリットの一つと言えるのが将来の老後対策となるという事です。住宅ローンが終わっていれば管理費等の支出だけで住み続けられます。
賃貸マンションに住み続けて年金生活となった場合、限られた収入の中での家賃負担は軽いものではありません。その場合は預貯金や有価証券の運用などで対策を講じておく必要があるかもしれません。
3-5.税制のメリット
分譲マンションを住宅ローンを利用して購入した場合、一定の要件を満たすと10年間に渡り最大400万円の住宅ローン減税の適用を受けることができます。
また、購入時に直系の親族から自己居住用のマンションの取得資金の贈与を受けた場合、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の適用を受けることができます。
さらに、自己居住のマンションを売却した時に譲渡利益が生じた場合、3,000万円の特別控除の適用(居住用財産の譲渡所得の特例)を受けることができます。
そして、居住用のマンションとして購入しても転勤や親の介護等でそのマンションに住み続けることができなくなった場合、マンションを貸し出して家賃収入を得ることもできます。その場合、家賃収入から住宅ローン金利の一部や建物の減価償却費、管理費等の必要経費を差し引いて損失が生じると、その損失分を他の給与所得などから差し引く(損益通算)ことができますので所得税や住民税の節税となることもあります。
将来、マンションを子や孫などに贈与・相続する場合にもメリットがあります。現金と違い不動産は時価ではなく、路線価や固定資産税評価額という公的な評価を基準に算出されますので実際の市場価格の半分から3分の1程度の評価額となることが多いようです。
4.まとめ

以上見てきたように、分譲マンションには様々なメリットがあります。上述したメリットの他にも分譲マンションは自己所有となりますので内装を自由に変えたりリフォームしたりすることができます。
もちろん、分譲マンションは高額な商品のため長期の住宅ローンを組んだり、気軽には転居できないというデメリットもありますが、これらは分譲マンションに限った話ではありません。
しかし、そのようなデメリットを補う様々なメリットがあることから都市部に限らず地方においても、また幅広い世代においても分譲マンションが選ばれる一つの要因となっています。