新築分譲マンションの寿命、じっさい何年住めるの?

マンションの購入検討者からよく受ける質問の一つとして「マンションっていったいどのくらい住めるのですか?」というマンションの寿命について聞かれることがあります。皆さんもふと疑問に思った事がある方も多いのではないでしょうか。
そこで本稿では、マンションの寿命について見ていきたいと思います。
目次
1.マンションの寿命
2.マンションの耐用年数
3.まとめ
1.マンションの寿命

一般的には鉄筋コンクリート造のマンションの寿命は100年くらいと言われています。国土交通省が参考にしている研究事例にも100年以上との知見も示されています。 (参照 https://www1.mlit.go.jp:8088/common/001011879.pdf)
ただ、我が国の分譲マンションの歴史はおよそ60年ほどなので明確な事例や答えが出ている訳ではありませんが、同じ鉄筋コンクリート造の建物としては東京の大手百貨店グループの店舗をはじめ、世界を見渡せば築100年ほどの建物は数多く存在しています。
建物の構造としてはしっかりとメンテナンスを行えば、現在供給されている新築分譲マンションであれば100年位は大丈夫と言えるのではないでしょうか。
しかしマンションなどの住宅の寿命という点では、立地や環境などを含めての利用価値及び市場価値にも左右されます。
郊外においてまだ住めそうな戸建て住宅が『売り物件』の看板とともに住む人なく朽ち果てつつある様を見かけたことがある方も多いかと思います。
その時点でその住まいの寿命は終わりに近づいていると言えるのかもしれません。
これに対し都市部のマンションでは、築30年を超えても高値で取引されている物件もあります。
いわゆる「ヴィンテージマンション」と呼ばれる手入れが行き届き、風格さえ感じられるマンションなどです。
このようにマンションの寿命は物理的なもの以外に市場価値などにも影響を受けることを認識していた方が良さそうです。
2.マンションの耐用年数

税法上の法定耐用年数は平成10年度の改正によりマンションなどの住宅用の鉄筋コンクリート造の建物はそれまでの60年から47年に短縮されました。
建物や構造の進歩などを考えるとおかしな話ですが、この法定耐用年数は企業や事業者などの経費である減価償却費の算出の基礎となるもので、実際の時価や市場価値の減価を表すものではありません。
ちなみに、木造の一戸建て住宅の耐用年数は22年です。
他に身近なところでは普通乗用車の法定耐用年数は6年と定められています。実際には6年を超えた車は街中をたくさん走っていますし、国産の乗用車なら中古車市場でもまだまだ高値で取引されていたりします。
同じようにマンションにおいても、特に1981年6月以降に建築確認を受けたものであればそれ以前に比べ耐震規準が厳しくなっていますので法定耐用年数を超えてもメンテナンスがしっかりなされていれば安心ではないでしょうか。
3.まとめ

以上、マンションの寿命について見てきましたが、その寿命は鉄筋コンクリート造の物理的な耐用年数のみでなく、市場価値や利用価値にも左右され、耐震性をはじめとする安全性や定期的なメンテナンスなどを含めた総合的な評価に影響を受けるように思われます。
したがって、これらの要素が充実している昨今の新築分譲マンションであれば長い寿命が期待できるのではないでしょうか。