マンション購入時の住宅ローン利用と現金購入どちらがお得?

良く受ける質問です。住宅ローン利用と現金購入、又は自己資金を多く入れて住宅ローンを少なくして購入の場合など、どの方法が一番お得なのかと質問されます。
結論から書きますと、現金購入が一番お得で、現金購入が無理な場合は自己資金を出来るだけ多く入れて住宅ローンは極力少なくして購入するのがより良い購入の仕方です。住宅ローン減税の効果を加味してもです。
具体的にその理由を書いていきます。
目次
1. 現金購入の場合のメリット・デメリット
2. 住宅ローン利用の場合のメリット・デメリット
3. 自己資金の違いによる支払い総額の比較
1.現金購入の場合のメリット・デメリット
| メリット
現金購入の場合のメリットとしては、購入時の価格と別に必要な諸費用が安くできます。
通常は購入価格の3%~5%ほど掛かりますが、現金購入の場合は2.5%ほどで済みます。その理由は、住宅ローン関連の費用が掛からない事と住宅ローンを利用しないので抵当権設定登記費用が掛からないからです。
さらに、当然ですが住宅ローンを利用しませんので金利負担がありません。
| デメリット
マイホームとして購入の場合は住宅ローン減税が受けられない、団体信用生命保険が付いてないという事です。ただし、これらについては上述したように諸費用やローンの金利負担をしています。その中の一部が戻るに過ぎません。生命保険は住宅ローンが消えるだけでお金が貰える訳ではありません。これは銀行が困らない為のものなのです。
よって、マイホームとして購入の場合は現金一括が一番お勧めです。
しかし、投資や資産運用としてお考えの方にとっては話は別です。
自己資金が一気に減りますので、効率的ではないとも言えます。
2.住宅ローン利用の場合のメリット・デメリット
| メリット
少ない手持ち資金で住宅やマンションという大きな資産を手に入れることが出来る事です。無理のないローンであれば家賃並みかそれに少し上乗せする程度で支払っていけます。
また、購入した住宅が一定の要件を満たしていれば住宅ローン減税が受けられます。
次に、投資や資産運用でお考えの場合は、住宅ローンというレバレッジを効かせれば数倍の資産を所有することも出来ます。また、諸費用や建物部分の金利負担は経費計上が可能で、現在の収入と損益通算すれば節税対策にもなります。
| デメリット
住宅ローンを利用するとなると金融機関に手数料や保証料など払わなければなりません。
それに加えて抵当権設定の費用も諸費用として加算されます。
また、当然金利負担も発生します。この金利には生命保険料も組み込まれています。
3.自己資金の違いによる支払い総額の比較
次に自己資金の違いによる総支払額の比較をしてみます。一般的な新築分譲マンションの住宅ローン減税の対象借入限度額は4,000万円ですので物件価格を4,000万円で比較してみました。
下記の表がそれぞれの場合の総支払額です。金利は年1%の固定金利を想定しています。なお、諸費用は借入額により違いがあり概算です。

この様に住宅ローン減税の対象である借入れ額の1%(2,000万円の場合は20万円/年)の減税を10年間控除されたとしても現金購入の総支払額には及びません。もちろん早期に返済すれば良いという考えもあるとは思いますが、何か特別の理由(定期の満期など)でもない限りお得とは言えません。
結論としては、自己資金が多ければ多いほど総支払額は少なくて済みます。
