マンションの売却について
所有しているマンションや不動産の売却は一般の方にとってそんなに経験することは少ないので、いざ売却しようとするといろいろと不安なことがあるかもしれません。
そこでマンション売却のメリットとデメリットを確認して理解することで、マンションの売却を行う上で注意しなければならないポイントもみえてきます。

目次
1.マンション売却のメリット
2.マンション売却のデメリット
3.マンション売却の流れ
4.まとめ
1.マンション売却のメリット
1-1 将来のマンション相場の下落リスクの回避
マンション相場は景気やその立地特性、希少性、人気などにより変動します。また、少子高齢化が進んでいる状況下では、都市部の一部を除き土地が余り不動産価値が下落する可能性があります。
それでなくとも、マンションは償却資産という面からその価値は年を追うごとに下がっていきます。
人口が減っていくとマンション需要が減り、マンションの価値が下がり、マンションが余る可能 性があります。マンションの売却を検討している方はこういった日本の人口問題を念頭にいれておく必要があります。
1-2 マンション売却による資産の現金化
マンションを売却する一番のメリットは、資産を現金化できることです。
これにより現金を自由に使えるほか、マンションを相続した場合は現金化することで遺産の分割もしやすくなります。
しかし相続したマンションであっても、売却すれば譲渡所得税などの税金がかかる可能性がありますので注意が必要です。
1-3 買換え資金として利用できる
マンションの売却資金を新しいマンションや土地などへの買換えの資金に充当できます。
もっと立地条件の良いマンションや広いマンションなどへの買換えの資金にすることができます。
1-4 ローン負担を回避
ローンを利用して購入したマンションの売却はそのローンが残っている場合は、売却時に完済しなければなりません。
しかし、ローンを完済することにより、その後の利息負担を回避でき、様々な将来的なリスクから開放され、精神的に身軽になることができます。
2.マンション売却のデメリット
2-1 仲介手数料や税金などの費用が掛かる
マンションを売却する場合の費用としてはまず仲介手数料が発生します。一般的には売却価格の3%+6万円に消費税を加算した金額です。例えば、3,000万円での売却の場合は96万円と消費税です。大きな金額ですが通常の取引では売却代金より差し引かれます。
また、売却するマンションが居住用か事業用かで違いがありますが売却益には譲渡所得税が課されることもあります。売却する時は様々な税制についても考慮しなければなりません。
2-2 居住用のマンションの売却は転居費用が掛かる
現在居住しているマンションの売却の場合、次の転居先の確保が必要となります。買換えの場合は次の住宅のローンや資金の準備が必要です。
賃貸住宅を借りる場合も敷金や礼金などの費用が発生します。
2-3 時期によっては売却価格が変動する
マンションや土地などの不動産は景気や世界経済にも影響を受けたりします。一般的に不動産は金額が大きい為、その変動額も大きくなりがちです。
したがって、時期によっては高く売れたり安くで売ってしまうという事もあります。
売却時期の見極めは慎重に行いましょう。
2-4 賃貸中のマンションの売却は収益機会がなくなる
マンションを所有して家賃収入を得ている場合は、売却によりその収益の機会を失うことになります。
3.マンション売却の流れ

ステップ 1 情報収集・売却準備
周辺マンション相場などをインターネットや住宅情報誌などで情報収集。
同時に中古マンションを取り扱っている不動産会社をチェック。
売却時の税金や費用(仲介手数料等)を調査。
ローンが残っている場合はその残債務を金融機関に確認。
ステップ 2 価格査定
不動産会社数社(2~3社)に査定を依頼。
ステップ 3 媒介契約
不動産会社に売却を依頼し書面を交わしますが、費用は掛かりません。
この媒介契約には、3種類あります。
一つ目は一般媒介です。複数の不動産会社に売却を依頼できます。
二つ目は専任媒介です。不動産会社を一社に限定して依頼します。
三つ目は専属専任媒介です。不動産会社を一社に限定し、売却先を自分で見つけることもできません。
ステップ 4 売り出し・販売活動
不動産会社はインターネットやチラシなどを利用して幅広く広告活動を行います。
この広告宣伝費は、不動産会社の負担です。媒介契約はあくまでも成功報酬となります。
売却物件に居住中の場合は、検討者の内覧に協力しましょう。
空室物件の場合は、オープンルームなどで集客を図ります。
ステップ 5 買い付け・申込
中古マンションの売却の場合、購入希望者より申込を前提として金額の値交渉
が入ったりします。
売り出し価格の設定時にはその辺りも加味しておきましょう。
物件を気に入った購入希望者より「買付証明書」が提示されます。
それに対して承諾したら「売渡証」を返します。
ステップ 6 売買契約
売買契約書の内容を事前に確認しましょう。
売買契約成立時に手付金を買主から受領します。
この契約時に不動産会社への仲介手数料の前半金を支払います。
ステップ 7 決済・引渡し
残代金を買主より受領し、ローン残債がある場合は同時に抹消します。
また、鍵などを買主に渡します。
仲介手数料の後半金を不動産会社に支払います。
ステップ 8 確定申告
マンションを売却し譲渡所得(売却益)が出た場合、税金を納める必要があります。
自宅マンションを売却した場合、譲渡所得の3,000万円まで控除できます。
また、譲渡損失が発生した場合は税の還付を受けられることもあります。
保有期間によっても税率が変わったりしますし、様々な特例がありますので確定申告は忘れずに行うようにしましょう。

4.まとめ
これまで見てきたように、マンションはその立地特性や鉄筋コンクリート造という建物特性により、売却・換金化がし易い不動産です。
売却は特に、時期により高く売れたり安くなったりしますが、その時の景気や保有状況などを見極めて判断する必要があります。
時期が良くない場合は賃貸に出して家賃収入を得るという事もマンションは選択肢としてあります。
いずれにしても、売却を決定する前にそのマンションの将来的な活用について、多方面から熟慮することが大切です。マンションの売却にはいろいろとメリットがありますが、デメリットもいくつかあります。どちらも「売却時の注意点」として受け止め、慎重に検討し理想的な売却を実現させましょう。
